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大学のすべてのキャンパスにOiTrを設置。導入に合わせて”女性のからだ支援 Breezeプロジェクト”もスタート

慶應義塾大学

大学のすべてのキャンパスにOiTrを設置。導入に合わせて”女性のからだ支援  Breezeプロジェクト”もスタート

公開日:2025.6.11

東京都および神奈川県内に6つのキャンパスを擁し、10学部14研究科からなる慶應義塾大学。現在、計99台*1のOiTrを設置し、学生たちのからだのコンディション維持に役立てています。
今回は、OiTrの設置に至った経緯やOiTrを通して広がる活動について、協生環境推進室の黒田絵里香さんと中峯秀之さんにお話をお伺いしました。

学生たちの悩みを解決するため大学のすべてのキャンパスにOiTrを設置

記者:協生環境推進室は、どのような活動をされているのでしょうか?

黒田:慶應義塾は1858年に福澤諭吉先生が開いた私塾が発祥となる大学ですが、協生環境推進室は比較的新しい組織で、2018年に設立されました。
「協生環境」という言葉は、互いの人格を尊重し、多様な価値観を認め合い、協力して生きるという理念を表す、慶應義塾独自の用語です。
その理念の下、ワーク・ライフ・バランス、バリアフリー、ダイバーシティー、コミュニティエンゲージメントの柱を立て、育児や介護、体や病気の支援をはじめ、障害のある方の支援、エスニシティやLGBTQといったDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)に関わる様々な取り組みを行っています。
その中で本学の学生・教職員の皆さんが、一層の活躍のためにも心身ともに「軽やかに」学び・働くことができるようにという願いから、この「Breezeプロジェクト」を立ち上げ、からだのメンテナンス支援を行っていこうということになりました。

記者:慶應義塾大学様では全ての大学キャンパスにOiTrを設置いただいていますよね。

黒田:はい。主なキャンパスは全部で6つあり、10学部14研究科からなる総合大学です。
学生数は3万人ほどで、教職員は大学病院も含めますと6000人以上が在籍しています。
キャンパスにより、男女比は異なりますが、全てのキャンパスにOiTrを導入しました。

記者:では、OiTrの導入に至った経緯を教えてください。

中峯:そもそもは2020年4月、コロナ禍になったことが出発点でした。本学は全国から学生さんがいらしていますが、コロナ禍による経済的な事情等から大きな打撃を受ける学生さんも多数いました。
2021年度、徐々に通学が再開される中、我々協生環境推進室で何かできないかと考えていたところ、Webのニュースで、ある大学で教員の有志が生理用品を購入して無償配付を行うという取り組みがあることを知り、協生環境推進室でもやってみようということで、申込制による生理用品のパッケージの無償配付を開始しました。
はじめはどのくらいの需要があるのか全くわかりませんでしたが、想定していた500人分が募集当日の午前中で埋まってしまうほどのニーズがあったのです。

中峯:それと同時に、学生さんたちへのアンケートも行ったのですが、経済的に困っていらっしゃる学生さんが想像していた以上に多かったということも分かりました。
慶應義塾大学というと、経済的に余裕のある方が多いと見られがちですが、実際には必ずしもそのようなことはありません。地方から来られた学生さんなどで一人暮らしをされている方も多いですし、生理用品に関しても、購入への困難が生じているという切々とした訴えもありました。
その後も、継続して無償配付を実施し、これまでに13回を数えています。

黒田:一方で、生理用品の無料配付を行った際に実施した学生へのアンケートの中で、「女性のお手洗いの個室でナプキンがもらえる仕組みがあると嬉しい」という声が多数寄せられていました。
カゴなどに入れて置いておくという方法もありますが、衛生上の問題や手に取るところを他の人に見られたくないという声も多く、何か良い仕組みはないかと考えていたときに、OiTrを導入された他大学のことをニュースで知り、本学でも実現できないかと考え、御社にコンタクトを取らせていただきました。

記者:OiTr導入後の学生さんたちの反応はいかがでしたか?

黒田:非常に良かったです。「感謝です」「これがなくては生きていけない」と話す学生さんもいました。各キャンパスとも、利用率が非常に上がっており、毎月数千枚の利用があり、学生に広く浸透してきたのだと感じています。

中峯:全てのキャンパスに設置していますが、特に理工学部のある矢上キャンパスでは評判が良いです。
矢上キャンパスの理工学部には女子学生が非常に少ない研究室が多いです。中には研究室に女性が一人だけというところもあります。そうすると、例えば「ポーチなどを持ってトイレに行くとき、周囲の視線が気になる」という声もあり、そうした中でOiTrの設置がとてもありがたいという反応がありました。
理工学部は夜遅くまで実験や研究することもあり、キャンパスでの滞在時間が非常に長いので、そうした意味でも意義があることだと思います。
それから、”ジェンダー平等の視点から画期的な取り組み”ということで、学生団体からの取材もいただきました。

女性のからだ支援をトータルに行う”女性のからだ支援 ~Breezeプロジェクト~”

記者:慶應義塾大学様ではOiTrの導入と並行して”女性のからだ支援”も行っていますが、具体的な取り組みについても教えてください。

中峯:2022年1月7日のOiTrの導入に合わせて、女性のからだ支援をトータルに行うための”女性のからだ支援 ~Breezeプロジェクト~”をスタートしました。
OiTrの設置を中心に、年4回の生理用品の無償配付、本学大学病院の医師や専門家による”からだの悩み”に関する”からだセミナー”の開催、保健管理センターによる「女性のからだ・男性のからだ相談室」の設置などです。

黒田:からだセミナーの初回は”生理”をテーマに産婦人科の先生にご登壇いただき、ミニレクチャーと学生も参加する座談会方式で直接医師に悩みを聞いてもらうというスタイルにしました。
初回にも関わらず、100名近い申し込みがあり、大変好評でした。男性の参加も一定数あり、パートナーのからだのことや生理のことを正しく知りたいというニーズもあったようです。
これまで計13回開催し、婦人科のほかにも乳腺外科、”男性の悩み”を中心とした泌尿器科、”やせの問題”や”睡眠”など、それぞれに関連した専門医や専門家の方にご登壇いただき、現代に即した重要なテーマのレクチャーや対談を行っていただきました。

中峯:それから慶應義塾大学病院の産婦人科、乳腺外科、泌尿器科の専門医に、からだの相談をすることができる「女性のからだ・男性のからだ相談室」を保健管理センターに開設しました。
アンケートの結果などを見ると、例えば、産婦人科を受診するというのはかなりハードルが高いようです。そのため、”女性や男性の特有の悩み”をキャンパス内で相談できる場をつくりました。
これらの取り組みをトータルで”Breezeプロジェクト”としています。

記者:今後、協生環境推進室としてのさらなる活動でご検討されていることはございますか?

中峯:慶應義塾には小学校から高校までの一貫教育校もあるため、そちらに関してもさまざまな支援を行えればと考えています。例えば、先ほどお話した”からだセミナー”を一貫教育校にも案内して参加してもらえるようにするなど、活動を広げています。

今後のOiTrに期待すること

記者:では、今後のOiTrに期待することがあれば教えてください。

黒田:非常に素晴らしい取り組みだと感じています。ですので、もっと社会に浸透し、これが当たり前の世界になるのが夢なのかなと感じています。

中峯:本学でも合計99台、OiTrを導入していますが、「設置している」ということが本学の広報にもなっているところがあります。オープンキャンパスなどで訪れた方にOiTrをご覧いただくことで、本学がこうしたことに力をいれていることを示すことができます。これによって、入学を検討してくださる皆さんの一助になればと思います。
また、学生の間でもジェンダー平等という意識でさまざまな活動を行っている学生もいますので、私たちとしてもOiTrの設置は非常に意義のあることだと考えています。

黒田:慶應義塾の環境整備は、私たちにとって重要なミッションです。OiTr設置がきっかけとなり「からだセミナー」などの開催にも繋がりました。
OiTrさんの取り組みは、社会的意義のある事業だと思いますので、ますます発展いただけたらと思います。

米山:インタビューは以上になります。
本日はいろいろなお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

慶應義塾大学 協生環境推進室

黒田 絵里香 様
中峯 秀之 様

OiTr/米山・記者


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